お墓参りの思い出

先代の愛犬は、家族皆で出かける時にはお留守番をすることになっていました。

お墓参りの思い出

先代の愛犬は

先代の愛犬は、家族皆で出かける時にはお留守番をすることになっていました。
けれど、愛犬はお座敷犬として家の中で暮らしていましたので、一人ぽっちでお留守番をするのが大嫌いでした。

そんな中、愛犬も一緒に連れて行くところが、我が家のお墓でした。
車で30分くらいはかかるところにあるのですが、愛犬はそれくらいなら車酔いすることなく乗ることができました。
ただ、乗っている間中、興奮して大変でした。
そんな愛犬、勝手知ったるお墓とあって、リードを引っ張ってぐいぐい境内を歩いていきます。それを見て、頑固そうなおじいさんにギロリと睨まれたことがありました。
その瞬間、これは何か文句を言われるなと思いました。

その時、若いお坊さんが通りかかり、おじいさんはこのお坊さんをつかまえ、愛犬を指さして何やら言っています。文句を言っているのは、遠くから見ても明らかです。
そのお坊さんの対応をヒヤヒヤしながら見守っていると、その若いお坊さんはこちらにも聞こえるようにと思ってか、大きな声でにこやかに笑いながら「いいですよ、いいですよ〜」と言って去って行かれました。

残されたおじいさんの顔は、まさに苦虫を噛み潰した状態で、振り上げたこぶしを下ろす先が見つからないといった感じです。
その横を堂々と歩いていく愛犬と私と妹を、言葉もなく見ていたのが、お墓参りでの忘れられない思い出です。

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